ミラのお誕生日


12月2日。
ミラは、ナルビクの酒場、「酔っ払いのブルーホエール」から外を眺めていた。
その日はミラの誕生日である。

「 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 。」
さっきまであんな喚いてたのに。こういうのを泣いたカラスがもう笑う、っていうのかな……
彼女は日差し溢れる窓の外を、いや正しくは窓の外で日差しを一杯に浴びながら蝶と戯れる一人の少女を眺めながら、そんなことを思っていた。


―――

事の発端は、窓の外の天真爛漫な少女が何処でミラの誕生日を聞きつけたのやら、プレゼントを差し出した事にある。

「えへへ!ミラお姉さん、お誕生日おめでとうですぅ!」

まさかそんな物を貰うとは思ってもいなかったミラはつい意地を張って、少女ティチエルに怒鳴りかかってしまったのである。

「うぅっ、おねいさん…………ひどいですぅ…………。

うわぁぁぁああぁん!!」


彼女がしまったと思った時には既にそうして少女は駆け出して出て行ってしまったのである。

―――


「ぁ゛〜……」

それを思い出し彼女はらしくもない妙なため息をついていた。

「ミラ、らしくもないな。一体どうしたんだ。」

この酒場のマスター、ビルドラクが、そんなミラを見て声を掛けてきた。

「……う……親父……」

ちょっと唸って後に彼女はこう叫んだ。

「うーん……酒だ酒ー!

もはやミラはやけくそらしい。
ビルドラクも気を使ったらしく次々ビールが出てきた。

        「あぁ、ミラ。勿論この分代金はちゃんと払ってもらうからな」

しかし飲んだくれミラは聞いていないようだ!!





************

「……どうしようか、これ……」

しばらく飲んだくれた後、ミラはそこにおかれたプレゼントの包みに目をくれた。
そこにはクリーム色の小さな紙に

"お誕生日おめでとう、ミラお姉さん。"

と、書いてあった。


それを見た途端、酒も入って涙脆くなっていたか、彼女の目はとうとう潤みだした。

「親父!またな!!ご馳走さん!!」

ミラは小さな包みを手に酒場を飛び出した。

             「…………ミラ…………
               今日のはツケにしとくからな…………!!」

ビルドラクは恨みがましい目で彼女が駆け出していた方を暫く見つめていた。




************

何処まで走ったのだろう。
そこはナルビクのほんの近辺といえる地ではなかった。

ミラは泣いていた。

暫く膝を抱えてそこにうずくまっていた。



……どれくらい経っただろう。
ミラはまだ赤い顔を上げてあの包みを見た。

「……開けてみようかな……」



紐を解いて、包みを開けた。
小さな箱が、入っていた。

「これって……」

ミラは蓋を開けた。


箱から出てきたのは……


「ちょ……これって……




ドッペルゲンガー!!!?


ちょっと何だこいつはー!!」

どうしよう……


なんと箱から出てきたのはティチエルDOPだった。
しかも幸か不幸か、街からここまでは恐らく遠い。
まぁ"その箱"が開けられるのだから、勿論街からは遠いわけであるが。

とりあえず、逃げるか……と思い駆け出したその時だった。

『お姉さん!お誕生日、おめでとうですぅ!!』

そのDOPは確かにそう叫んだ。
えっ、と思って足を止めた事が致命的だった。

ミラはあっけなくDOPの魔法に叩きのめされて死に戻りする羽目になったのだった。






************

一方ティチエルは、ナルビクの復活ポイントで座って沈んでいた。
さっきまではあのように明るくしていたような、あの少女でも、やはり良かれと思ってやった事を叱られた事はショックだったのかもしれない。

「うぅー、お姉さん……」

ティチエルは呟いた。

   ひゅん。

そこに現れたのは死に戻りして来たミラだった。


『あっ。』

二人の声が同時になった。

「お姉さん……」

その後を先に言おうとしたのはティチエルだったが。


このっ、バカっ!!
あの箱開けたらおまえのドッペルが襲ってきてこっちはとんでもない目にあったじゃないか!

は〜……。デスペナ分どうしてくれるんだい……」

ミラは右手で頭を抑えている。


それを聞いたティチエルは何かを思いついたようだった。

「じゃあ、一緒に狩りに行くですぅ!」

目を輝かせ、その名案にえっへんと言いたげであるティチエルを見て、ミラは益々頭痛が悪化したようだった。







************

その帰り道。

「お互いLvも上がったし、レアも結構色々出たですねぇ〜」

ティチエルは狩りが終わったというのにウキウキ気分のようである。
ミラは溜息をつきながら自分のカバンを覗いた。
確かに色々拾ったらしくぐちゃぐちゃになっていた。


「……あれ。この道……」

その道には確かに見覚えがあった。
ミラはふと顔を上げて見た。
確かにそこには先ほどのDOPが立っている。

「あれ〜、お姉さん見てください!
私がもう1人いるですよ〜!!わぁぁい!!」

DOPを知らなかったのかティチエルは嬉しそうにDOPによっていく。

「うわっ、バカ……」

ミラは止めようとした。が。
先程の叩きのめされ様を思い出し顔色が青くなった。

ところが。
ティチエルがDOPと仲良くおしゃべりを始めたと思ったら。
数秒後、何故かミラが歯も立たなかったDOPが消滅していた。

「あれれ?もう1人の私がどこか行っちゃったですぅ……」

ティチエルは淋しそうに手を胸の前で組んでいる。
どうやらDOPを倒した事は無意識の産物だったらしい。



ああ。
確かにそうだった。

「あんたは、あたしの幸運の女神様、だったか……」



ミラのポケットには、天使の加護が1つ、忍び込んでいた。

もう1つのお話へ戻る。



【石井智慧(仮】
Blog:ウェ━━(0w0)━━イしいちえ。
ミラたそお誕生日おめでたうございますヾ(*'ω'*)ゞ
おばさんとか云われててもやっぱり大好きですvvvvv
今年も頑張れミラおねいさん☆★>∇<
あと、このような素敵な企画をお立てになった主催者様ご苦労様ですた☆

絵は出来るだけ明暗を分けて着色したつもりデス。
ノートの罫線がちょっと見えてるだけなら云わないでやって下さい(ゃ
着色が下手でもいぢめないであげて下さい。着色のアドバイスなら喜びます(ぇ
グレースケールで罫線をちょっと消したりした原画や、作画エピソードなどはブログ内のどこかにありますが、こちらのページの、本ページのと殆ど同じような後書まで読んでくれてる貴方には参照先を伝えますね(’’*
記事その1←大した事書いてないケド その2 その3

2人の絵をなんとなく描いてからSSを書き出してみますた。
最初は銀行の窓辺で酒飲んでるおねいさんと窓の外のテチ公だったんですが。
なんかあとあと酒場の方がいいかなって思えたんですたいね。
というわけでご覧の通り2通りのストーリー仕立てになったワケです。
窓の外の景色は港近辺をイメージしたつもりですたw
それぞれ話の続きや、最後の言葉に込められた意味とかは、皆さんの思うように補完してください(。A。)
普通にハッピーエンドでもこれを機にテチ公がミラおねいさんに求婚(or逆)の百合路線だろうが(ちょ!?www)何でも。
あと、文才がない上にぼくの全キャラ(爆)chap1で止まってるので、小説の人物設定や口調に何かしら不備とかあったらスミマセンι
メインのボリ子はドゥル鯖でいつまでもゼリキンも倒さずフラフラしています(違
更にβからいる2キャラ、1stのテチ公はLv10のまま放られています、2ndの元メインマキシは3rdのボリスに出番取られて動いてません(爆死

てゆーか知り合いに頼れるFlash製作師がおったらよかったんだなヽ(`Д´)ノ

あと、ここまで読んだけど、本ページの方のあとがき読んでない人は併せて読んでくれるといいと思うます。多分これだけだと説明不足あるます(爆
2005/11/30

†SoA†
(滅多に更新ないほむぺ。)


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